RIAコンソーシアム・ビジネスセミナーXVIII


RIAC:RIAコンソーシアム・ビジネスセミナー 〜クラウド・SaaS時代のUI/ユーザビリティ〜
Twitter:riac_jp

所感

RIAコンソーシアムというコミュニティの有料セミナーに初参戦。やはり参加者にはSIerの方が多く、業務システム寄りの話が多かった印象。そして「UX」の潮流が、メーカー⇒Webサービス⇒業務システム、と順々に来ているのだなぁと実感した。

個人的に今回の収穫は、ソシオメディア篠原さんのミニワークショップでの気づきと、ヌーラボさんのUI開発事例が聞けたこと。前者ではシステム寄りの考え方とコンテキスト寄りの考え方がスパッと腑に落ちたし、後者ではレビューの大切さを再認識した。3000円の会費を払うだけの価値はあった気がする。
またMicrosoftPROJECT UXのページが、昔はSilverlightの宣伝ばかりだと思っていたが今ではずいぶん充実していたのにびっくり。ROIの資料なんかはとても参考になるし、OSガイドラインと合わせて勉強に使えそうだと思った。MSはKinectWindows Phone 7も好評なようで、いつのまにかUXをキーにして復活を思わせてくれた。

RIACではユーザビリティ研究WGなどの活動も盛んなようで、これからも機会があればウォッチしていきたいコミュニティである。

SaaS時代のユーザインターフェースとは(篠原さん)

  • 現在のソシオメディアはWeb1割、9割はスマホや他デバイス向けの仕事
  • 簡易ワークショップ
    • パンダ・サル・バナナの絵を2つに分類してください
    • パンダ&サル―バナナ:分類主義、システム寄りの考え方
    • パンダ―サル&バナナ:状況主義、コンテキスト寄りの考え方
    • いかにして状況の中に入り込むか?
    • ユーザー調査はこういった状況によるコンテキストを明らかにする
  • ユーザーに何を体験してもらうのか
    • 誰かが体験した時間を別の誰かの時間にシフトすること
    • 対価を払うことで、サービス提供者の体験を追体験すること
  • ソシオメディア デザインパターン

Backlog、CacooにおけるコラボレイティブなUI開発(縣さん)

  • Backlog 有料使用600社
  • Cacoo ユーザー10万人 そのうち2/3が海外
    • 開発段階では全て英語で作っている
  • Moving Target
    • 最初からゴールが定まった開発ができるわけではない
    • 複数の目を使い、徐々に的に近づけていく探索的なプロセスが必要
  • UIはディレクタ、プログラマ、デザイナみんなの目を使って作る
    • たくさんの目で、とにかくレビューをすること
    • 最終判断はプロダクトオーナーにゆだねる
    • マネージャとプロダクトオーナーを分けたほうがよい
    • オーナーはUIの専門的な知識を意識して学ぶこと
  • イデアフェーズ
    • インプット:Twitterのつぶやき、ユーザとの情報交換会など
    • ストック:Backlog上に何でも登録
    • ピックアップ
  • プロトタイプフェーズ
    • ワイヤーフレーム:Cacoo上で共有、コメントの付け合い
    • プロトタイプ:動くものを作って使い込む リアルデータを使用するのがコツ
    • デザイン:デザイナは開発初期から関わっているのでスムース
  • レビュー会に力を入れている
    • 1回30-60分程度
    • 各段階で2-3回行っている
  • カイゼンフェーズ
    • β版で1年程度運用した
    • ChromeエクステンションでUIの実験をしている

インフラジスティックス社の紹介

Microsoftでの取り組み