第4回ユーザビリティ研究会


第4回新横浜ユーザビリティ研究会のお知らせ
第4回新横浜ユーザビリティ研究会 報告

所感

今回は新横浜の老舗ユーザビリティ評価企業であるインターソフトさん特集。内容は下記Web上にあるトピックに準拠したもの。

株式会社インターソフト|業務内容|ユーザビリティ・サービス | 新たな取り組み


やはりオフィス機器や業務システム系の調査が多い様子で、全体的にクラシックでタフな調査が多いなという印象を持った。このあたりがWeb業界のリサーチャーと特に違うところ。
3名の方々から、これまでの各種調査についてのリクルーティング方法やボリューム等の具体的な内容を開示していただいたので、今後の調査設計のよい参考になりそう。特にカメラを使った日記調査はアウトプットの質が思ったより良さそうで、今後トライしてみたいなと思った。


また個人的には、五十嵐さんの問題提起の中にあった、「タスクを完遂できる人とできない人の差は何か?」という問いが興味深かった。確かに普段のユーザーテストでも、同じ条件でリクルートした上でそういう違いが見られることがある。
ちょうど学生のときに関わっていた、認知能力(場依存性、空間認識能力など)とシステム利用時のエラー率についての研究を思い出した。それが先天的なものなのか、後天的に身に付くものなのか調べるのもおもしろいと思った。


フィールドに置ける利用状況調査の事例発表(尾上さん)

A.はりつき調査の例(プリンタ、コピー機
  • オフィス内3カ所×2名ずつ×2交代 1週間で241サンプル
  • 直接観察&質問紙
    • 原稿の種類、枚数
    • 何の機能を使ったか?
  • 機密保持への配慮が大変
B.住み込み調査の例(印刷、製本機
  • 3名×3日間 日中つきっきりで観察
  • 代表的なジョブについて、作業と利用機器のマトリクスを作成
C.簡易日誌調査の例(血圧計)
  • 優良顧客6名に対して実施
  • 電話で説明後、カメラ、記録シート、手引きを郵送
  • 2週間、毎日記録をしてもらう
  • 後日、それをもとにインタビューを実施
  • カメラを渡すと、思ったよりもしっかりと記録してくれていた
ISOに関する話題等
  • ISO9241-11:オフィス用品向け
  • ISO20282-1:日用品向け、インターソフトでも翻訳中

開発初期段階におけるUI印象評価(人見さん)

見て→触って→使って→使い込んで
  • 「見て」「触って」の部分を評価するのがSD法
  • 定量的な結果が得られるのがメリット
  • 「使って」「使い込んで」の部分は専門家評価へ
SD法によるUI評価の例
  • 1機種8名程度×3〜5機種=30〜40名程度
  • SD法で用いる形容詞対をおよそ30個程度用意
  • 一度に4名ずつ、4カ所をローテーションで評価